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三栄書房

新潟大学ジャンプアップ賞受賞インタビュー&ボディカラー変更記


★新潟大学ジャンプアップ賞受賞ヒーローインタビュー

Q 2011年の新潟大学はすごいです。総合順位20位を獲得!昨年の55位から大きく飛躍してきました。さらに、前年の大会で獲得したポイント(学生フォーミュラでは、種目ごとにポイントが加算され、その合計ポイントを競います)から最もポイントをアップさせた大学に授与される「ジャンプアップ賞」を受賞しました。おめでとうございます!賞が発表された時の皆さんのお気持ちはいかがでしたか?
A ありがとうございます!受賞時は素直に嬉しい!という気持ちでしたね。
過去2年間に決して満足な結果は残せなかった分もありますし、このプロジェクトを設立し、発展のために尽力してくれたメンバーが在学しているうちに、表彰台に上がれたということも嬉しかったですね。
そして、私達を後援して下さる皆様にやっとある程度の成果を証明できたというので、ホッとしたというのが正直な所です。
Q プロジェクト設立メンバーがまだチームにいる!?ちなみに彼らは今…?
A 現在、修士の2年です。
Q おぉ、有終の美ですね。まだプロジェクトを設立したメンバーが現役で残っているという非常に若いチーム(ちなみに、全日本学生フォーミュラ大会は2003年から開催)。新潟大学は2008年から大会に参加しているので、チーム設立4年での快挙です。
では、今大会での勝因といいますか順位を飛躍させることができたのはどんなところだと感じていますか?
A ジャンプアップの1番の要因は、リタイアしないで全種目で成績を残せたことだと思いますね。学生フォーミュラは1種目でもリタイアすると、一気に順位が落ちますから。
ただこれを可能にした背景には、早い時期にマシンを完成させ、試走で壊し、弱点を潰しておいたことが大きく影響していますね。とても、基本的な事ですが、今までの私達にはできていなかった。
Q 学生フォーミュラでは全ての種目において確実にポイントを稼ぐことが順位アップの秘訣なんですね。確かに、エンデュランス走行は総合ポイント1000点満点中の300点を占めるなど、一種目落とすだけで順位がぐんと変わってきてしまうというリスクがあります。実際2010年大会では、新潟大学は冷却系がオーバーヒートしてしまい、エンデュランス走行を走りきることができませんでした。2011年はラジエーターサイズを拡大することで冷却系のトラブルを解消。これは、さっき言っていたように早い時期にマシンをシェイクダウンさせて走り込みをきちんと行なうことができたからですね(今年は6月にシェイクダウン)。ところが、2011年大会のエンデュランス走行直前には燃料系のトラブルが発覚。これは大会2日目のブレーキ試験の辺りから度々出ていたトラブルのようですが、一体どんなトラブルだったんですか?
A 燃料ポンプのエア噛みです。前から時々出る症状だったのですが、燃料が少ない状態でコーナリングすると、中に入っているバッフルだけでは燃料の偏りを防ぎきれずに空気が送り込まれてしまい、エア噛みしてしまったんです。 
Q あわやエンデュランスが走れないのではないか!?という緊迫の瞬間でしたね。エンデュランス走行は全種目のなかで最もポイント配分が高いので、この競技を落としてしまうのは痛すぎます。走行直前の短い時間で、どんな対策を取ったのでしょうか?
A 燃料ポンプ出口に繋いだホースに注射器を挿し、負圧で強制的にエア抜きをすることで、なんとかエンデュランス走行に間に合わせました。
Q こうして無事エンデュランス走行を走り終えることができました。大会中、ピットに伺った時はちょうど新潟大学がエンデュランス走行を終えたところで、チームは全種目完全走破したことで盛り上がっていました。
その後、同じようなトラブルを抱えた大学の学生さんがやって来て、どういう風にトラブルを解決したか説明して、最後には実際に使用した注射器を手渡していました。こういった学生同士の情報交換が大会のレベルを底上げしているんだな、と感じさせるひとコマでした。
それでは、新潟大学NEXT(NEXTはチーム名。Niigata-university for Ecodevelopment and X-generation Technologyの略)の強みはどんなところでしょうか?
A なんでもかんでも自製してしまう技術力ですかね。エンジン以外はほとんど全て作ってしまいますね。意外と綺麗に出来ますよ!(笑)それ以外は、これは!と言えるほど強いものはないかもしれませんね。しかし、努力家で熱心なメンバーや、私達の活動(大変忙しく、時には学業にも支障が…)を理解してくれる先生方がいることですかね。
技術的な所でなく申し訳ないのですが…。
Q それ以外は、これはというものがないって、エンジン以外ほとんど全てつくってしまうことは既にすごいことです(笑)下にある大会の成績を見ていても、新潟大学は着実にポイントを重ねているという印象を受けます。
静的審査 コスト 16位
デザイン 40位
プレゼンテーション 29位
動的審査 アクセラレーション 22位
スキッドパッド 30位
オートクロス 32位
総合順位 20位

派手さはないけれど、地道に努力していった結果、振り返ってみたらかなり高いところまで登って来ていた、というのが今回のジャンプアップ賞につながっているではないでしょうか。また、工学部のなかに学生フォーミュラの活動をサポートして下さる先生方がいらっしゃるということも、活動を進めていく上ではとても助けになりますよね。今回の結果を受けて、大学からの反応はいかがでしたか?

A 私達の活動を知っている方たちからは、お祝いの言葉をもらいましたね。ただ、大学全体では知名度は低いので、あまり反応はありませんでした。しかし、大学のHPに結果を取り上げてもらった等はありました。
Q これからまた徐々に知名度がアップしていきそうですね。
さて、もう来年の大会に向けて始動しているようですが、現在はどんなことをしているのか聞かせてください。
A 大会直後に2012年大会のコンセプトが決定しました。今は各パートで勉強と2012年大会のレギュレーションが発表されたので、それを熟読している段階ですね。設計を始めているパートもあります。 
Q 先日は、第1回設計会議が行なわれたということで。各パートがプレゼンテーションを行ない、夜遅くまで質問や提案が飛び交ったようです。来年はどんなマシンが出来上がってくるのでしょうか。それでは、来年に向けての目標を聞かせて下さい。
A 現状の20位以上を目指します。あと、新潟大学だけの物をなんとか作り出していきたいと思います。
ありがとうございます。来年の車両も楽しみにしていますね。

★「あのスバル車と同じ色にしたくて…」新潟大学ボディカラー変更記

Q 新潟大学は2010年から2011年にかけて大きな変貌を遂げてきました。ひとつは大幅なホイールベースの短縮。フレーム構造を見直したことでホイールベースを2010年の1700mmから1570mmと130mmも短くしたことでマシンがぐっとコンパクトになってきました(詳しくはMotor Fan illustrated本誌Vol.61を参照ください)。そしてもうひとつは車両のカラー。上智大学の赤や大阪大学のカワサキグリーンなど、ある意味ボディカラーは一目で大学を特徴づけるポイントですよね。新潟大学は昨年までの緑とは打って変わって、茄子紺というか群青色というか、とても絶妙な色に変更してきました。これは何という色ですか?
A プラズマブルー・シリカという色ですね。
Q これってスバルのクルマに使われている色だそうですね?
A そうですね。インプレッサWRX STIの専用色ですね。
Q 大学のボディカラーって、あまり変更しないようなイメージがあるのですが、そもそも、今回どうしてボディカラーを変更しようという流れになったのでしょうか?それも、スバルのこの色にしようと。
A 昨年まではスクールカラーということや、明るめのグリーンを採用している学校が少ないのもあって、グリーンを採用していました。でも、09年、10年の完成したマシンがちょっとだけイモムシとかカエルに見えるという意見があったので色の変更となりました。
Q そうなんですか!?言われてみればそう見えなくもない…?
A …というのは冗談で、今年は今までとは違う、つまりより上位に挑戦していくにあたり、今までの私達から脱却という意味合いも込めて、ボディカラーの変更という流れになりました。この色になった理由は、ボディカラーをチーム全員に提案してもらい選ぶ会議のときに、強くこの色を推すメンバーがいて、それに皆賛同したためですね。実際、とてもかっこよく感じたので。
Q 確かにとてもかっこいいです。陽の当たり方によって色の見え方が変わる。他の色は検討されなかったのですか?
A メンバー全員に自分の好きなカラーを1種目選んでもらって、それを会議で検討してボディ色を決定したので、ほかにも、SUZUKIのスイフトスポーツのイエローやHONDAのNSXのレッドなど他にも様々なカラーが案として出されました。
Q どれも「速さ」を感じさせる色ですね。カラーリングに込める思いからも今年の「速さ」への追求を感じます。でも最終的には熱狂的なスバリストであるひとりのメンバーの方の強い意向があったようですね?皆もそれに押される形だったのでしょうか?
A もちろん、全員がこの色がいいというわけではありませんでしたね。ただし、チーム内も青や紫、赤といった傾向が強かったので意外にすんなり決定しました。ただ、塗料の購入の段階になって、値段が高いことでカウル班からはちょっとだけクレームが(笑)
Q 貴重な予算ですからね(笑)でも高いだけあって、他大学にはないような深みのあるとてもきれいな色に仕上がっていました。塗装工程というのはどのような感じで進んでいったのか教えていただけますか?
A 私達の活動を知っている方たちからは、お祝いの言葉をもらいましたね。ただ、大学全体では知名度は低いので、あまり反応はありませんでした。しかし、大学のHPに結果を取り上げてもらった等はありました。
Q これからまた徐々に知名度がアップしていきそうですね。 さて、もう来年の大会に向けて始動しているようですが、現在はどんなことをしているのか聞かせてください。
A 実際の塗装工程はまず♯600のサンドペーパーで削って、その後にプラサフ(下地塗料。サーフェイサーとプライマー、両方の役割を持つ)を吹き、また♯600で削りその後に塗料を吹き、クリアーを吹きました。
Q 塗装工程については他の塗料と変わらないんですか?
A はい、塗装工程については通常と変わらないですね。
Q ちなみに、この色がスバルWRX STI使用と同じカラーリングだということにきがついた人はいましたか?
A 残念ながら全くいませんでした。どうやら、下地の色の関係で実際の色より暗くなってしまったためかと思います。
それはちょっと残念でしたが、新潟大学は昨年の車両からエクステリアの美しさも大幅に進歩させてきていて、より艶のある美しい仕上がりになってきました。また、昨年より技術的にもまとめあげられた車両が、そこに色を添えているようです。レーシングカーは「速いクルマほど必然的に美しい」と言われているように、憧れのクルマと同じ色に塗装したこと、これも今回の速さの意外な秘訣なのかもしれません。

新潟大学のチームメンバーに聞いてみた2つの質問。

学生フォーミュラをやろうと思ったキッカケは?
・F1が好きで、将来F1のピットクルーになりたいと思ったから
・自動車のことを深く学んでみたかったから
・車を作るなんて一生のうちに1度出来るか出来ないかだから
・車には興味がないが、ものづくりに興味があったから
学生フォーミュラで1番面白いと感じることは?
・自分達が作ったマシンが走っているのを見ると、とても大きな達成感が得られること
・自分のアイディアが車に採用されているとき
・大会で頑張りが結果に出てくること